隧道銀座!茂原市・その1 [廃墟・廃校・古道・隧道]

 以前買った茂原市の隧道小冊子「トンネルのはなし」。手掘り隧道28本が掲載されている。
これを参考に、今日もいくつか隧道を探そう・・
トンネル (2).jpg


今回は4本回ってみた。地元の方々の生活を支えていた、有名ではない、いつ無くなってもおかしくない隧道。私はこれに惹かれる。
メジャーなところも行くが、それほど興味がない。次々に観光客が通ると、現実に引き戻されてしまうから。

今回の隧道群は、近場に密集していて回り易い。もうオリエンテーリング感覚!!頼むぜDF!!
しかし、狭い道でのUターンや、バイクを置いて歩きなんて場合があるので、本当はスーパーカブのほうが回り易い・けど廃車中だから・・・。隧道巡りの時はDFが大きく感じられる。



まずは細田トンネル(明治33年頃開通)
民家横の道を抜ける。バイクでラクラク通過。今後切り通しにする計画があるそう(ええっ!?)
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中は照明もあり、やや長めだが、抜けると八幡神社がある。
トンネル細田 (2).jpg
※この写真中央に、右上に続く道があるのがお分かりいただけると思う?隧道の上に切り通しがあるのだが、数十メートル先に、大きな倒木があり進めない。さすがに引き返した。残念。でも雰囲気は良い。

一気にタイムスリップできる、時代を感じる切り通しだ。無名な手掘り隧道や、切り通しに入ると、現代から隔絶されて、当時の鶴嘴の跡がそのままむき出しで残り、音もなく、自然の臭いと静けさのみ。現代の物など何もない。そして小枝からのわずかな光に包まれる。私にとっては異次元にいるような感覚だ。時の狭間に立つあの感覚、皆さんにも味わって欲しいといつも思う。


次は民家の畑を通過するため、場所がわからなかった坊谷(ぼうやつ)トンネル(昭和39年完成・鶴嘴のみで作られた)。地元の方に聞いたら、
「あそこは使われてないから通れないよ。イノシシの罠にも気を付けて」と言われた。いや、行ってやる。余計に行きたくなる。


バイクは置いて歩いて向かう。

無いな~・無いな~・・ン?あれは?(隧道巡りやってると、隧道センサーが敏感になる・マジで)。



トンネル坊谷 (5).jpg

来る途中道路でヘビにあったので、恐れながら進む。

やはりここだ!
トンネル坊谷 (1).jpg


天井が低い!そして暗い!スマホのライト全然役に立たん。※写真はフラッシュ使用。
トンネル坊谷 (2).jpg

コウモリはいなそうだ。顔に飛んで来たら絶叫する自信はある。
例によって、壁面は綺麗だ。誰も通らず手入れもしないのに。コケもカビも雑草もない。小枝は沢山落ちているが・。


約60年前は、農家の方々が、牛を連れて通過したのだろう。掘るのも大変だったろう。鶴嘴でトンネル掘るって、実際やったら想像を絶する重労働なのでは?
60年のタイムスリップを楽しむ。
※でも、初回隧道突入時はヘビ・コウモリ・山ビルが怖いので、そんなにリラックスしていない(;'∀')。2回目は大丈夫だが。



出口が見えたぞ!
トンネル坊谷 (3).jpg

光の向こうには・・・

トンネル坊谷 (4).jpg

田んぼがあった。山を挟んで住居と田畑があるので、そのために作られた、農作業用隧道なのだ。近辺の、他の多くの隧道もその用途が多い。
この隧道がなかった頃、耕地に向かった牛が、山道から滑り落ちて、自力で牛舎に帰っていて、農家の人が驚いたという話があるそうだ。今は農道ができて、隧道はほとんど使われなくなったそう
(つか、使用感全然ないんですけど・・ほぼ廃道)。

通り抜けて振り返る(中央の暗闇が魔界・いや、隧道入り口)
トンネル坊谷.jpg

次は戸田谷(へたやつ)トンネル(大正12年)。これは上がとがった、観音掘りだ。
当初は坂道トンネルだったのだが、農作業の暇な冬に、男手を集め、坂を削って削って、歩きやすい平らな道にした為、このような高い天井になった。
トンネル戸田谷 (2).jpg
ここもバイクでラクラク抜けられる。

最後は住吉(しょうよし)トンネル(昭和24年)だが、ここは取材が18時を過ぎてしまい、この写真だけとなる。昭和63年・耕地整理のため、切通となってしまった(地元の方にとっては良い事)。
DFのH4球ライトは明るい。※写真ピンボケ勘弁です。

トンネル庄吉 (2).jpg


こうしてみると、やはり、使われていない隧道が好きだ。バイクでラクラク通過すると、感動は薄い。藪漕ぎしながら苦労して探しあて、廃隧道なのに壁面がピカピカしていて、空気が澄んでいることに、たまらなく感動する。こうしてリフレッシュできると、仕事への活力になる(過去は波乱万丈だったが、お陰様で、今は好きな仕事に恵まれている)。

機会があれば残りも取材してみたい。
ではまた。


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