翌朝、桃岩荘に向かうため、ハートランドフェリーで礼文島へ出発。フェリー代は2800円。バイクは港に無料で駐輪しておく。載せると結構料金がかかるから。





2等船室はカーペット敷きでリラックスできる部屋が数部屋、椅子の部屋もある。





自然に寝転がってしまうが、船が小さめなため、揺れて少し船酔い。サンフラワーとは違うのだ。

2時間ほどで到着。



迎えの車で桃岩荘へ。



昔、ニシン漁に使われた建物を改築してあるので良い雰囲気。当然、たくさんの人が寝泊まりできる造りだ。
これはどれも2階の様子




これは私のベッド↓



目の前の庭からの眺めは最高。いつまでも見ていたい。



夕飯は頼んでないので、近くの港のカフェで1500円のうに丼と500円のタコザンギ。

デザートは大好きなグリコジャイアントコーン。



夜は一階大広間で、2名の熱い男性スタッフによる集会があり、皆大声で歌や踊りをしまくり通常のユースでは考えられない盛り上がりとなり、皆の絆を深め、思い出づくりをしてくれる。これがこのユースの4~50年にわたる伝統であり目玉なのだ。
夜は10時消灯で、これは厳しい。見回りもあり、強制的に睡眠となる。

もう一つの目玉は、礼文島の8時間ハイキングコースだ。観光案内所の規定コースと少し違うらしいのだが、これがハード!!!。愛とロマンの8時間コース・というのが売りで、激しいコースの為、皆に愛や友情が生まれるらしいのだ。実際は12時間くらいかかるらしい・・
しかしこれを申し込まずして来た意味はない。前の晩に申し込みをした。しかしこれが苦難の始まりだった・・

翌朝



は、早い・・・

スコトン岬から出発。約30㎞のハイキング?の始まりだ。11名の参加者。スタッフはだれも同行してくれない。
しかもこれが下手すりゃ遭難みたいな難関もあるのだ。

途中でだめなら4時間コースで棄権して路線バスで帰れるので、それが救いだ。



霧雨で、ぬかるみが多く急坂もあり3回も尻もち転倒。ハイキングなんて生易しいもんじゃない。たとえるなら強行軍だ。黙々と歩き進む。
スニーカーはぐちゃぐちゃびしょ濡れで、脚は棒のようになり4時間コース分岐点の澄海岬到着。

もう、ずっと棄権する事だけを考えて歩いてきたが、なぜかここで会話が楽しくなり、やる気が出てしまったのが運のつき(笑)。
当初から4時間コースの予定だった男性2女性1名が抜け、総勢8名となった。
もう、後へは引けない。救助は来ない。ヘリを呼ぶしかないだろう。



霧の中、昼食予定地点に到着。宿が用意してくれた、名物「圧縮弁当」をほおばる。中身はほぼライスだ。

更に歩くこと数時間、日本とは思えぬダイナミックな景色に疲れもぶっ飛ぶ。



正直ヘルメット必須なほどの急坂だ。砂利と砂で足場もわるい。
北海道だから大目に見てもらっている感じで、本州ならフル装備でこいと言われそう。










この海辺が孤島を歩いているようで気持ちいい。

しかしもう右膝は限界、激痛だ。幸い杖になる流木が沢山あるので、ここからずっと杖をついて歩くこととなる。同行の女子高生も膝が痛いらしかったので、杖を渡した♡(途中で捨てていた・涙)。

最終チェックポイントに到着。ジュースが買える。

後は林道を抜ければゴールだ(数時間後だけどね)。

礼文島固有種のレブンウスユキソウに出会う。


出発から12時間後杖をつきながらゴール。助け合いながら歩いた皆の友情が深まったのは言うまでもない。



楽しかった。

2泊を終え、帰りの日となった。

トラックの荷台の椅子に座り、自衛隊の様に港に向かう。



ありがとう桃岩・・

船が港を出るとき あの2名のスタッフ中心に、見送りに来てくれた仲間たちが、大声で、歌やダンスをしてくれる。また来いよ~とも言ってくれる。とにかくずっと言ってくれる。なぜあんなに一生懸命になれるのか・・。


私はこういう時に泣かない人間だったのだが、今回はなぜか初めて泣けた。涙が止まらなかった。母が亡くなった時以来かも知れない。みんなありがとう。来てよかった。伝説のユースに泊まれてよかった。もう、今回のツーリングの目的は果たしたような気がした。
さようなら礼文島。


船でアイスとお土産の「ビタミンカステラ」を買う。このカステラ、道民で知らない人はいないそう。セブンにもおいてある。






稚内に着き4時間コースのCB氏と別れ


同じく4時間コースのワイルドなSR氏と意気投合し、海鮮を食べることに。私と正反対な男っぽさ溢れるナイスガイ。この後、利尻島で昆布漁のバイトを探すそう。き、きついバイトなのでは・・・。ガタイがいいから平気なのか。

「顔出しいいっすよ」と言っていたけど一応ぼかしたよ 笑。

ハイキングメンバーの女子高生(ちなみに同行のお姉さん女子大生)推薦の、くるまや がお休みの為、港の店にした。


稚内の港で今年もパチリ。

この後は宗谷丘陵をめざし、「白い道」を走る。
つづく